ムーンライト信州と松本城
ムーンライト信州に乗った。
(松本駅にて)
そもそもムーンライト信州というのは、快速の夜行列車である。
昔は夜行急行「アルプス」が定期列車として運行されていたというが、夜行バスなどの台頭による影響だろうか。
現在では夏休みや冬休みなどに限って、臨時列車として運行されている。
特急ではないので、JRが1日2370円で乗り放題の「青春18きっぷ」とも併用可能だ。
この列車は全席指定であり、指定席券520円がかかる。
この指定席券こそが人気で、なかなか入手することができない。
ヤフオクなどを見てみると、3000円くらいで取引されていることがわかるだろう。
だから人々は、切符が発売されるちょうど1ヶ月前その日に、みどりの窓口で争奪戦を繰り広げるのだ。
しかし僕がムーンライトを使って帰省することを決めたのは、出発前日である。
理由としては、東海道線を9時間乗り通すことへの抵抗と、ムーンライトに乗ってみたいという欲求からだ。
先述の通り、チケットはなかなか取れない。まして前日である。
そこで僕が使ったのは、JR東日本のきっぷ予約サービス「えきねっと」だ。
ネットで予約すれば、券売機で発券ができる便利なサービスなのだ。
ここを狙った理由は、キャンセルする人が出るからだ。
しかし、そう簡単に確保できるわけではない。
出発当日も、バイトの休憩中にこまめに確認していたが、満席表示が続いていた。
バイトが終わってから、とりあえず東京駅に向かった。
山手線の車内で、えきねっとのサイトを更新し続ける。
結局確保できたのは、当日の出発直前23時頃だった。
東京駅で発券し、新宿駅へ向かった。
新宿駅には鉄道ファンをたくさん目にした。
まあこの列車の特性上、そうなるのは必然的なのかもしれない。
車内は広々とまではいかないものの、リクライニングがついていてそれなりに快適。
そして車内は20度。悪くない。
国鉄時代の古さが、このデジタル時代となっては趣を感じる。
他の席のおっちゃんたちはすぐ寝ていた。さすが。
僕は寝れない時のために本を備えた。
駅を出ると、鉄道唱歌のオルゴールが流れて旅が始まる。
モーター音を感じながら列車に揺られる旅は、やはり素晴らしい。
一つ残念なことがあった。
鉄道ファンの中高生達(大人も)だ。
駅に着く度にドアを開けてドタバタと車内を移動していた。
ドアの開閉は結構音が大きく響くため、睡眠の妨げになった。
さらには、寝ている人の前でカメラを出して車内風景や車内設備の撮影。
たしかに二度と乗ることのできない電車かもしれない。
たしかに料金を払っている以上、乗客の権利はそれぞれ等しく与えられるべきである。
それでもやはり、夜行列車には配慮というものがあって然るべきではないだろうかと思った。
松本駅
そんなこともあって、もともと信濃大町まで行くつもりだったが、車内にいるのが辛くなったので松本で降りることにした。
駅を出たものの、真っ暗。
気温はマイナス5度。マグラーをしていないので、寒さが痛い。
いやー、美しい。
空気が綺麗だから、星もたくさん見える。
そしてなんといっても国宝のこの天守だ。
黒と白のコントラスト。
途中下車成功。
この写真はgalaxys8で撮ったものを、Lightroomで加工したものだ。
個人的になかなか満足している。
もちろん、一眼レフには敵わないが。
また明るい時間に来て、壮大な姿とその中を見にきたいと思う。
松本からは、中央線で名古屋へ、そこから東海道線で大阪へ。
13時間の長い旅を楽しむことができた。
年明けの上京ももちろん18きっぷ。
腰をゆっくり休ませたい。
以上。